「まつげの傷みが気になるから、マツエクをしばらくお休みしたい…」お客様から、こんな相談を受けた経験はありませんか?アイリストとして、このようなお客様の悩みには、きちんと答えたいですよね。ただ実際には、マツエクをお休みするだけでは、自まつげの強化にはつながらないもの。お休みの方法や、お休みしなくても自まつげを強くする方法があることなど、アイリストならではの角度で、お客様へうまく提案できるようスキルアップしましょう!
マツエクを付けているお客様の中には、マツエク自体が自まつげを傷める要素になっていると考えている方も少なくありません。果たして本当にそうなのでしょうか?マツエクが自まつげに与える影響について、おさらいしてみましょう。
マツエクを付ける上で気になるのが、自まつげへの影響。自まつげが傷んでしまうのではないかと、マツエクの施術に不安を感じるお客様もいらっしゃいます。マツエクを付けることで、自まつげへの負担となるのは、施術の際に使用するグルーやリムーバー。
グルーやリムーバーは、自まつげに直接触れるものなので、品質が良い物を使っているかどうかが重要となります。自まつげへの負担を極力減らすためには、安全性が高く、アイリストとして品質に自信が持てるものを使用するようにしましょう。
また、自まつげに対して長すぎるものや、太くてボリュームのあるエクステを付ける際も注意が必要です。自まつげとバランスが取れていないものをつけてしまうと、根本へ常に負担をかけているような状況を引き起こしてしまいます。自まつげをマツエクの負担から守るには、アイリストがお客様の自まつげをきちんとチェックできているかがポイントに。エクステの選定から施術まで、お客様の状況に合わせて行うことで、その負担はかなり軽減できます。アフターケアもしっかりと責任を持って行なっていけば、それほど負担なく続けられるのです。
次に、マツエク以外のもので、自まつげへダメージを与える要因を確認してみましょう。
自まつげへダメージを与えるのは、マツエクだけではありません。まつげに自然なカールを与え、ビューラーの手間を省くことができるまつげパーマ。ケアのステップを省いて、安価で施術を行っているようなところで、まつげパーマの施術を受けた経験のあるお客様は要注意です。施術の際に使用する薬剤やカーラーの熱で、自まつげに大きなダメージを受けていることも。薬剤を使用してまつげの組織を壊してから、まつげにカールをつけるため、自まつげにはかなり大きなダメージを与えることとなります。また、カーラーによって与える熱は、まつげのキューティクルをはがしてしまう可能性も。キューティクルはまつげの水分を保つ作用があるため、キューティクルがはがれてしまうことで、まつげが乾燥してパサつきが発生する原因となってしまいます。
日々のメイクで使用する、ビューラーやマスカラなどのアイメイクも、自まつげへ負担を与える要因に。まつげは、髪の毛やまゆげなどと違い、皮膚のごく浅い場所に毛根が存在しています。そのため、まつげを根本からギュッと挟んで持ち上げる“ビューラー”は、自まつげの毛根へ大きなダメージを与えているのです。1日中カールをキープさせたいがために、根本から力強くビューラーをかける人も少なくありません。マツエクをしていなくても、このようなビューラーの使い方をしていると、自まつげの抜ける本数が増えて、まばらな状態になってしまいます。
まつげを長く見せるために、ビューラーをかけたあと、マスカラを塗る人がほとんどではないでしょうか。実は、このマスカラも自まつげへダメージを与える要因だと考えられています。中でも、ウォータープルーフタイプのマスカラは、特に自まつげへの影響が大きいもの。ウォータープルーフマスカラは、“水に滲まない”ということを第一目的としています。そのため、まつげにダメージを与えるような、化学物質が使われているケースも多いものです。また、クレンジングの際にも、まつげに負担となるような強めのリムーバーを使用する必要があります。なかなか落ちないので、まぶたを引っ張りながら、マスカラを落とす人も以外と多いもの。自まつげを意識した使い方をしていなければ、日々のアイメイクも自まつげの大きな負担となってしまうのです。
ゴシゴシとアイメイクをオフするのは、自まつげにとってもよくないこと。しかし、しっかりとアイメイクをオフできていないと、自まつげにも悪影響を及ぼしてしまいます。アイメイクが落ち切っていない状態を続けていると、まつげの根本にメイクの残りが詰まってしまうことに。根元に詰まったアイメイクの影響で、自まつげが抜けやすくなるだけでなく、新しく生えてくるはずのまつげも育ちにくい状況を作り出してしまいます。アイメイクはやさしくていねいに洗い流し、新しいまつげの育成を邪魔しないようにしなければいけません。
“どのような行為が自まつげの負担となるのか”がわかっていなければ、マツエクをお休みしても、自まつげを強くすることはできません。
ビューラーで力を入れて自まつげを挟みこむことが、自まつげへ大きな負担となることを、先ほどお話しました。自まつげに強い圧をかけることだけでなく、まつげを挟む部分にあるゴムの劣化も、自まつげへ負担をかける要因となります。強い圧がかかるだけでも、まつげのキューティクルは押しつぶされてしまうもの。ゴムが劣化した状態のビューラーを使用することは、まつげのキューティクルを破壊してしまうことにもつながりかねません。ビューラーのゴムが劣化すると、まつげの上がり方が不自然になったり、そもそも上がらなくなったりします。ゴムが劣化している場合、ビューラーの金属部分からの圧で、ゴム部分に溝ができることも。ゴムが劣化したビューラーを使い続けるということは、ゴムにできた溝へむりやりまつげを押し込んでいるようなものです。まつげ自体だけでなく、根本への負担も大きくなるため、ゴムが劣化したビューラーの使用は、自まつげへ大きな負担となってしまいます。
先ほど、“マスカラの使用も自まつげの負担となる”というお話をしましたが、マスカラを使う際に注意したいのは、使い方だけではありません。注意しなければいけないのは、マスカラ自体の使用期限。みなさんは、マスカラの使用期限をご存知ですか?実は、どのマスカラも 3ヶ月ほどが使用期限となっているのです。ブラシをきれいに掃除することができないため、長く使えば使うほど、マスカラの雑菌が増殖してしまいます。雑菌が増えたマスカラを使用し続けることによって、まつげダニが増殖するリスクを上げてしまうのです。まつげダニへの増殖は、目元のトラブルを引き起こすだけでなく、自まつげを抜けやすくしてしまう要因にもなります。
マスカラを使用する際は、
・落ちにくい(落としにくい)マスカラを使用しない
・クレンジングで自まつげをひっぱったり、ゴシゴシこすったりしない
・マスカラの使用期限を守る
このようなポイントを守って、使用しなければいけません。マスカラはまつげの根本にも触れる場合があるので、常に清潔なものを使用するようにしましょう。
ビューラーやマスカラだけでなく、日々無意識に行っている行為が、まつげに負担をかけている場合もあります。
まずは、寝方。エクステを施術する際にも、お客様へお伝えしている方がほとんどかと思いますが、まつげは基本的にうつぶせ寝を好みません。マツエクをつけているつけていないに関わらず、うつぶせ寝をしてしまうと、枕や布団とまつげがこすれてしまいます。まだ抜ける時期ではないまつげも、こすれによって抜けてしまう場合があるので、まつげのことを考えればうつぶせ寝は避けるほうがベターです。
また、まつげを触るクセがある方も要注意。まつげを触ったり、抜こうとするクセを持っている方は意外と多いもの。無理やり引っ張るとまでは行かなくても、なんとなく抜くような方向へまつげを引っ張っているというケースも少なくありません。まつげを無理に抜こうとする行為は、まつげの毛母細胞にダメージを与えることにつながります。最悪の場合、まつげが生えてこなくなる可能性もあるので、このようなクセをお持ちのお客様には、注意を促すようにしましょう。
自まつげのためにマツエクのお休みを希望されるお客様には、自まつげ強化につながるおすすめの休み方をお伝えしましょう。
マツエクをつけないことで、普段よりもアイメイクに力を注いでしまう方も少なくありません。お休み期間に自まつげを傷めてしまっては、元も子もなくなってしまいます。まつげへストレスをかけないように過ごすことが、自まつげ強化につながることを、きちんと説明しておきましょう。
マツエクお休み期間は、自まつげへのケアに力を注いでもらうようにしましょう。まつげ美容液を使用するだけでなく、使用するマスカラもまつげケアに重点を置いたものに変えるなど、ケアの方法はさまざま。
・まつげ美容液はまつげを清潔な状態にして、寝る前に塗布する
・たくさん塗りすぎない
・マスカラを選ぶ際は、美容液配合でお湯オフが可能なもの(フィルムタイプなど)を選ぶ
自宅で行うものだけでなく、サロンに行って美容液の施術を受けたり、アイシャンプーで根本から汚れを落とすようなケア方法もあります。マツエクをお休みされる前に、お客様へ自まつげケアに役立つ情報をお伝えしておきましょう。
まつげが弱くなってしまいます。マツエクを付けていない分、まつげのボリュームが少なく感じるので、一生懸命ビューラーをかけてしまう方もいるもの。しかし、しっかりと自まつげを強化したいのであれば、ビューラーの使用は控えるのがベストです。どうしても使用したい場合は、圧をかけずに済む「ホットビューラー」を使用するようおすすめするのがいいでしょう。またきれいなマツエクを付けてもらうためにも、少しの間我慢していただきましょう。
自まつげにダメージを与えるのは、マツエクだけではありません。普段の生活習慣やメイクの仕方など、あらゆる角度から、まつげの負担となっている行為を見直していく必要があります。お客様のまつげを見守ってきたアイリストとして、お休み期間中の過ごし方までアドバイスができるようにしておきましょう。
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